【3.0レポート】studio META PRODUCE vol.8 2017「破片 1.5」

破片 1.5

studio META PRODUCE vol.8 2017 「破片 1.5」

弘前劇場を主宰している長谷川孝治脚本の「破片1.5」、舞台の出だしはモノローグ、1人の若者の姿が浮かび上がる。基本的に彼の思い出話、妹の思い出、回想、「泣くなと言ったのに泣く」といい、そして「頑張ったってどうにもならないんですよ」と語る、彼の放つ言葉は閉塞感でいっぱいだ。
舞台は一転して明るくなり、蝉の鳴く声、ジリジリと太陽が照りつけるイメージ、作業場で男が2人、1人はさっきモノローグでしゃべっていた若者は帽子をかぶっている、もう1人は髪をオールバックにしている、職場の先輩、後輩の関係というのは容易にわかる。時代は1970年代、ちょうど高度経済成長時代が終わりを告げてオイルショックの頃なのかはさだかではないが、時代の空気なのか、2人の他愛ない会話の中でやるせなさも感じる。やたらつっかかってくる先輩に“やってられない”といった風情の後輩、もちろん、何か建設的な会話をする訳でもない。蒸し蒸し、じめじめした季節の中で繰り広げられる2人のやり取りは、それでも共感を感じずにはいられない。そんなにハッピーな筈がないのが現実、それでも生きていかなくてはならない。狂気をはらむ瞬間、拳を握る、2人は本当は仲がいいのか悪いのかは、観客の想像の部分であるが、反目しあいながらもお互いが気になる。クレイジーな横顔を見せる先輩、しかし、彼の言う事は真実を突いている。その緊迫した空気の中で2人の俳優が対峙する。仕事はどちらかというと単調そのもの、しかも暑い、それがいっそう彼らをイラつかせる。

破片 1.5

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