【3.0リリース】「粛々と運針(しゅくしゅくとうんしん)」

粛々と運針

ーーチクチクと針を運ぶ。チクタクと進む秒針。 2つの無関係な家庭を縫い合あわせてみる。 平凡な生活の内に潜む葛藤を、周到な会話で描き出す iaku の新たな試みーー

iaku(いあく)は2012年に立ち上がった比較的若い演劇ユニット。その作品はチャレンジ精神に溢れたものであり、まだまだ、進化していくユニットでもある。今回の公演「粛々と運針(しゅくしゅくとうんしん)」、なんでもない日常、そこに潜む内なる葛藤……会話にこだわった“演劇”から見えるものは……。

<主宰・劇作家・演出家 横山拓也 挨拶>
iaku は 2012 年に劇作家の横山拓也が大阪で立ち上げた演劇ユニットです。iaku では、徹底的にセリフ・会話にこだわった作劇を目指しており、関西弁口語 を用いたディスカッションの積み上げによって「人物」や「事象」が浮き彫りにされるドラマを作っています。今回は 2015 年秋以来の長編新作を製作しま す。過去、iaku では、ひとつの場所、ひとつの時間軸で、ほぼ暗転を入れずに描き切る作品を多く作ってきました。一ヶ所に約 90 分間、登場人物を留めて、 無理なく会話させ、ドラマをつくり、カタルシスを迎えることは、案外簡単ではなく、作家の力量が問われます。その枷に挑み、楽しみに変えて劇作してき ましたが、同時にこのスタイルに固執することは、演劇の自由度や豊かさを端から放棄することになってしまうのではないか?という問いも突き付けられま す。自身の持ち味や iaku の作風を生かしながら、演劇的チャレンジを求めて、本作では、iaku として新たな境地を目指したいと考えています。これは文章 で書くと目新しさも、驚きもないようなことなのですが、2つの無関係の家族がそれぞれに繰り広げる議論を、物語の終盤に向かうところで、脈絡なく合体 させ、登場人物が別の場の議論にも参加していく、という策です。合体したときに「誰ですか!」「はじめまして」というようなやりとりは省き、ただ純粋 に第三者が話に入り込んでくるという、演劇的な力を借ります。今は作者だけが気づいている、このやり口の面白味や実験の要素を、多くの観客が楽しめる エンタテインメントに昇華したいと思います。

<本作の企画意図>
私たちは人間としての機能を維持するために、食事を摂ったり、睡眠をとったり、健康に留意して暮らしている。それは「死」を迎えないために本能に基づ いて行なっていることだが、そのことについて意識的には暮らしていない。むしろ、人は自分の「命」や「死」のことを、生活の中でもっとも遠いところに 位置づけている。テレビでは、「死」をクライマックスにして、その喪失感に群がるドラマが作られる。芸能人の訃報もまた、当人の歴史や生き様(死に様) がエンターテイメントに仕立てられる。刺激や娯楽としての「死」が溢れているにも関わらず、私たちは自分の「死」については意識から遠ざける。たとえ ば比較的近しい関係にいる友人や知り合いが亡くなったとして、当然悲しみにくれるが、我に返ったとき、自身が気にしていることは、その「死」に対する 振る舞い方だったりする。極端に言えば、自分自身か、または自分の親か、自分の子供が命に関わる状態に置かれなければ、命について、自身の問題として 取り組むことができないのではないだろうか。本作では、2つの家族が「命」に直面する。治療難の病気からターミナルケア、尊厳死を望む母親について、 親の命の期限を決められるのかを問われる兄弟。一方、妊娠を望んでいなかった妻が夫にその事実をどう伝えればいいかを悩んでいる夫婦。死に向かう者の 生について、また、生まれてくる命の選別について、観客と共に思考を巡らせたい。iaku としては、東京での新たな観客との出会いを求め、出演者に iaku のワークショップで出会った東京で活動する俳優を招く。関西の俳優との交流はもちろん、大阪公演で、東京・関西の演劇界の交流も計りたいと考えている。
 

<あらすじ>
築野家。長男、一(はじめ)、次男、紘(つなぐ)。二人で母を見舞う。病室で母から紹介されたのは、「金沢さん」という兄弟と面識のない初老の紳士。父 親が死んだあと、親しい仲だという。膵臓ガンを告知された母は、金沢さんと相談の結果、穏やかに最期を迎えることを選んだと二人に伝える。まだ治療の 可能性はあるのに、尊厳死を口にする母。苛立つ兄弟。特に実家で同居していた兄は、金沢さんの存在に無性に腹を立てていた。 田熊家。妻、沙都子(さとこ)、夫、應介(おうすけ)。去年 35 年のローンを組んで小さな一軒家を購入。その家のどこかで子猫の鳴き声がする。早く助け てあげたいと妻は訴えるが、交通事故で頸椎を痛めた夫はケガを理由に探してくれない。妻はお腹に新しい命を宿しているかもしれない。彼女は、妊娠を望 んでいなかった。この話題をどう切り出せばいいか分からずにいる。 そして、大きな布を縫い合わせる作業をしている人物、糸(いと)と結(ゆい)。二人は、築野家、田熊家に対し、時にカフェの店員として、ときに家族の 一員として関わっていく。しかし、二人の使命は粛々と運針を続けること。布が繋がったとき、無関係の家族の場がひとつになる。 家族を「妻」、「母親」、「長男」といった役割から解放し、一人格として、一人の人間として見つめることが出来た瞬間に家族の風景が変化するのではないか、 という検証をしてみる。
平凡な生活の内に潜む葛藤を、周到な会話で描き出す iaku の新たな試み。

 
【出演】
出演:尾方宣久(MONO)、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、
市原文太郎、伊藤えりこ(Aripe)、佐藤幸子(mizhen)、橋爪未萠里(劇団赤鬼)

【公演データ】
<東京公演>
2017 年 6 月 2 日(金)~6 日(火)
日時 6 月 2 日(金)19:30、3 日(土)14:00/19:00、
4 日(日)13:00/17:00、5 日(月)14:00/19:30、6 日(火)14:00
会場 新宿眼科画廊 スペース地下
料金 一般 3,000 円(前売・予約) 3,500 円(当日)
U-22(22 歳以下) 2,000 円(前売・当日共) 高校生以下 500 円(前売・当日共/枚数限定)

<大阪公演>
2017 年 6 月 9 日(金)~11 日(日)
日時 9 日(金)19:30、10 日(土)14:00/19:00、11 日(日)13:00/17:00
会場 インディペンデントシアター1st
料金 一般 3,000 円(前売・予約) 3,500 円(当日)
U-22(22 歳以下) 2,000 円(前売・当日共) 高校生以下 500 円(前売・当日共/枚数限定)
<チケット購入方法>
〈iaku〉 http://iaku.jp/
〈ライトアイ〉 TEL 06-6647-8243 (11 時~19 時)
〈チケットぴあ〉TEL 0570-02-9999
P コード 東京公演(457-745) 大阪公演(457-746) WEB http://pia.jp/
※PC・携帯・スマートフォン共通
発売日:4 月 23 日(日)10 時~
 
<スタッフ>
舞台監督 新井和幸、北島康伸
音響 星野大輔(サウンドウィーズ)
照明 岡田潤之 照明オペレーター(東京) 中西美樹
ドラマトゥルク 上田一軒
文芸協力 カトリヒデトシ
宣伝美術・WEB デザイン 下元浩人(EIGHTY ONE)
写真 堀川高志(kutowans studio)
当日運営(東京) 佐藤美紘
制作協力(東京) 北澤芙美子
制作協力(大阪) 寺井ゆうこ
宣伝 吉田プロモーション
制作 笠原希(ライトアイ/iaku)
製作 iaku 芸術文化振興基金助成事業
 
http://iaku.jp/

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