江戸のマハラジャ

【レポート】『江戸のマハラジャ』

劇団扉座 第61回公演
『江戸のマハラジャ』

今回は扉座と長年活動を共にしてきた振付家・ラッキィ池田氏、彩木エリ氏と深くコラボレーション。インド舞踊『ボリウッドダンス』を中心としたアジアンテイストのダンスと演劇との融合を図る。扉座が得意とする分かりやすいエンタテイメント性を保ちつつ、新たな舞台表現に挑戦。さらなる劇団活動を広げる可能性を内包させる。
劇作家・横内謙介が得意とする分かりやすいストーリー展開、そして長年スーパー歌舞伎で研鑽し、得てきたさまざまな舞台技法を小劇場的にアレンジし、使用、さらにラッキィ池田&彩木エリ氏の振付による独創的なダンスシーンをふんだんに取り入れ、『ボリウッドダンス』(ヒンディー語の娯楽映画に登場するダンスの総称)の新鋭舞踊家を客演に迎え(交渉中)て、その魅力を余すところなく舞台上で表現する。
今回取り入れる『ボリウッド・ダンス』は、インドで俳優、歌手が踊るダンスで、演劇との融和性の高いものであるで、有名なところではインド映画『踊るマハラジャ』。わが国でもブームになったが、表層的な一過性の流行に終わった感が否めないが、実は今も世界中で愛されているダンススタイル。その魅力とパワーを信じる横内謙介とラッキィ池田氏が、新たな可能性を探求して、そのダンスを取り込みつつ、独自にアレンジしたオリジナル作品作りに挑む。スタッフはそのまま大劇場の公演が出来る一流の才能の集まりで、『ボリウッドダンス』にふさわしい絢爛な舞台を、小劇場的なアレンジとアイデアを駆使して実現。さらにここで培う経験と技術を以て、将来的にノンバーバル(言語の障壁を超えた)新たなライブパフォーマンスの創造へと発展、わが国の演劇界、エンタテイメント界の喫緊の課題というべき劇場におけるインバウンドの獲得も視野に入れる、という意欲的な作品なのである。

<横内謙介よりコメント>
昨年の夏頃、内外の舞台の振付でずっとお世話になっているラッキィ池田氏がこう言っていた。

「インド人の若い女の子で、ボリウッドダンスが上手で、日本語が達者で面白くて、インド版の渡辺直美さんみたいな子がいるんだけど、この子で何か出来そうな予感がしてならないのですよ。」

常々、ラッキィさんの発想は大秘宝の発見に等しいと思っているので、その後の展開に大注目していた。次に会った時は、こうなっていた。

「その女の子、実はインド人じゃなくアメリカ人らしいことが分かったんです。まあ国籍なんかどうでもいいんですけど。」

その間、私は、ところでボリウッドダンスって何だ?と気になり始め、かつて映画「踊るマハラジャ」のヒットで流行った、インド的ダンスのことだと知って懐かしくなった。扉座では怪人二十面相の芝居で、二十面相の手下たちが謎のインド人に化けて踊る30人のマハラジャ的大群舞シーンを、ラッキィさんに作って頂いたこともある。もっともボリウッドダンスは決してレトロなものではなく、今も進化しつつ、全世界で愛され続けているということも学んだ。その次に会った時、ラッキィさんは嘆いていた。

「実はその子、家庭の事情で帰国しちゃったんですよぉ」

案の定謎のインド人であった。しかしその時、私は口走っていた。

「わかりました。その企画は扉座でやりましょう。ラッキィさんと知り合ってはや四半世紀、一回ガチでダンスな舞台やりましょう。ついでに扉座生活四半世紀、主演作を持たずに来た、犬飼淳治を主役にしましょう。特に踊れるワケでもないですが」

最後の部分は、なぜそう思ったのか自分でもさっぱり不明であるが「おお、いいすねぇ!」とラッキィさんが即答だったから、たぶんそれなりの宝の発見になると思う。

江戸のマハラジャ

【公演データ】

『江戸のマハラジャ』
<キャスト>
岡森諦 中原三千代 有馬自由 伴美奈子 犬飼淳治 高橋麻理 累央 鈴木利典 岩本達郎 鈴木里沙 新原武 江原由夏 鈴木崇乃 野田翔太 藤田直美 塩屋愛実 砂田桃子 白金翔太 三浦修平 小笠原彩 北村由海 ほか /
篠山輝信(客演) 花柳輔蔵(客演)/ スパイス侍

<スタッフ>
作・演出:横内謙介
振付:ラッキィ池田・彩木エリ(イカキック)

<厚木公演>
厚木シアタープロジェクトネクストステップ第7回公演
2017年11月25日(土)・26日(日)
厚木市文化会館 小ホール
主催: (公財)厚木市文化振興財団 扉座
応援: 厚木シアタープロジェクト市民応援団

<東京公演>
劇団扉座第61回公演
『江戸のマハラジャ』
日本劇作家協会プログラム
2017年11月29日(水)~12月10日(日) 座・高円寺 1
提携:NPO 法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
後援:杉並区

<お問い合わせ>
[厚木・東京公演]
劇団扉座
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-9-4-703
TEL 03-3221-0530 / FAX 03-3221-0532

HP http://www.tobiraza.co.jp
スマートフォン用 HP http://www.tobiraza.co.jp/sp/

【厚木公演】
公益財団法人厚木市文化振興財団
〒243-0032
神奈川県厚木市恩名 1-9-20

TEL 046-225-2588 / FAX 046-223-1439
ホームページ http://atsugi-bunka.jp/

江戸のマハラジャ

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