【レポート】ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」”頂の景色”

ハイキュー

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」”頂の景色”

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」”頂の景色”、その斬新な演出と俳優の熱演が好評で早くも再演、原作が発表されてからは、様々な形でメディアミックスされ、アニメも2016年の秋に新しいシーズン(第3期)が始まる。

ストーリーは昨年と同じ、演出はウォーリー木下、93年に劇団☆世界一団(現在はsundayと改称)を結成し、エジンバラ演劇祭にて五つ星も獲得、海外からも高い評価を受けているクリエイターの1人。従来の”演劇”の概念を超えた挑戦をしている。脚本は中屋敷法仁。
昨年と比較すると俳優陣は確実にパワーアップ、キャラクターの掘り下げ方も深くなり、見応えがあった。烏野高校の”小さな巨人”に憧れを抱き、バレー部に入部する日向翔陽、須賀健太の当たり役と言っても差し支えない出来映え。同じ高校に入学する影山飛雄役の木村達成、日向と”コンビ”になっていく心境の変化を好演、烏野高校の他のキャストもいい芝居を見せており、チームの結束力も感じる。特に1幕後半、チームがまとまっていく様をストンプ等のコリオを多用し、勢いのあるシーンになっていた。バレーの動きはダンス×リアルなバレーの動き、フォーメーションも計算されており、ダイナミックかつ印象的だ。

ハイキュー

ハイキュー

この作品の特徴、ハイパープロジェクション演劇と謳っているだけあって、映像の使い方が見事、マンガの作画も出るが、時には作画ではなく、俳優の顔が!(しかも時折、動く!)また、コミックと同じように擬音や台詞が書かれている。”飛び出すマンガ”、その前で俳優が演技し、背景とシンクロし、効果音や音楽がそれを彩る。立体的、かつ多重的な演出で『ハイキュー!!』の世界を圧倒的な力強さで観客に提示する。原作の際立った”感触”を客席で体感する、演劇には限りない可能性があることを示唆してくれる。注目のバレーボールの試合や練習をどう見せるかは、ひとつの表現にこだわらない。極めてアナログな、棒の先にボールをくっつけてスローモーションで動かしたり、あるいは一転して”ハイテク”背景の映像で見せたりする。ネットはあったり、なかったり。ネットはどうしても必要、といった固定観念はない。
また俳優の動きに合わせて盆が動き、バレーのダイナミックさを限られた空間で魅せる。
だが、終始、”ハイテク”で押し切っている訳ではない。従来の演劇的な表現、時折、白いフード付きのコートを着た”コロス”が登場し、状況を語ったり、あるいは”黒子”の役目を果たしたする。背景には何もなく、俳優陣の演技だけが頼り、なシーンも、もちろんある。ファンには嬉しい、感涙する台詞は、マンガと同じく心が熱くなり、ここは『ハイキュー!!』の真骨頂と言えよう。2幕の終わり近く、青葉城西との練習試合後、エース・東峰 旭が戻ってくるところは感涙だ。

「独りじゃないから、信じて飛べ」、テーマはこの一言に尽きる。
なお、千秋楽はライブビューイングが決まっており、全国93の映画館で実施される。

ハイキュー

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ゲネプロ終了後に囲み会見があった。登壇したのは、演出のウォーリー木下、キャストは日向翔陽役 須賀健太、 影山飛雄役 木村達成、月島 蛍役 小坂涼太郎、山口 忠役 三浦海里、 田中龍之介役 塩田康平、西谷 夕役 橋本祥平、縁下 力役 川原一馬、 澤村大地役 秋沢健太朗、菅原孝支役 猪野広樹、東峰 旭役 冨森ジャスティン。
須賀は「大阪公演は『ハイキュー!!』の世界を演じて毎公演感じることがあった。流れがしっかりしているので気持ちを作れば勝手に体が動いてくれる魅力のある作品。気持ちを作って東京公演も演じていきたい」とコメント。木村も「初演よりもより深く個々のドラマ性が表現されています」と語ったが、初演よりキャラクターの考察が深まり、見応えのある舞台になっていた。小坂は「全く新しいものを作っている気持ちで」とコメント、三浦は「前回よりもさらにチームワークが深まっている感じ」と仲の良さをアピールしたが、ひとつひとつのシーンにカンパニーの絆の深さを感じずにいられなかった。塩田は「試合を3次元でリアルに体感して頂ければ」と語り、橋本は「とにかく楽しんでお芝居をしたい」とコメント。川原は「さらにパワーアップした演劇『ハイキュー!!』をお見せ出来たら」とコメント。秋沢は、この公演からの参加で「緊張してるんですが、これを本番で熱いエネルギーに変えてお客様にお届け出来たら」と語る。猪野は「大阪公演でたくさんのエネルギーをもらった」とコメント、冨森は「部活のような、皆でディスカッションして作った作品」と語ったが、その成果は舞台上でも垣間みることが出来た。演出の木下は「音楽のライブのような感覚で是非観に来て頂けたら」と語ったが、楽曲のノリの良さはこの作品のひとつの特徴、リズムにのってのバレーボールの試合は楽しさと疾走感、ライブ感で新しさを感じるポイントであった。須賀は「特徴としては進化があると思います。芝居に対する熱量の進化、スタッフの方々は映像やハイパープロジェクションの部分がどんどん進化していて、役者はそれに負けない進化を19公演見せ続けたい」と最後に締めてくれた。

ハイキュー

[出演]
■烏野高校
須賀健太 木村達成 小坂涼太郎 三浦海里 塩田康平 橋本祥平 川原一馬 秋沢健太朗 猪野広樹 冨森ジャスティン

■青葉城西高校
遊馬晃祐 小波津亜廉 坂本康太 有澤樟太郎 山際海斗 齋藤健心 金井成大 白柏寿大

■烏野高校 OB
山口賢人 坂口慎之介

■烏野高校 顧問・コーチ
内田 滋 林 剛史

[公演データ]
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」”頂の景色”

2016年4月8日~4月17日
大阪:シアターBRAVA!
2016年4月25日~5月8日
東京:AiiA 2.5 Theater Tokyo

http://www.engeki-haikyu.com
Ⓒ古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会

取材・文/高浩美
撮影/洲脇理恵(MAXPHOTO)

■過去リリース情報
http://25news.jp/?p=1680

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