【3.0インタビュー】ムッシュ・モウソワール第二回来日公演『レッド・ジャケット』西田シャトナー

レッド・ジャケット

ムッシュ・モウソワール第二回来日公演『レッド・ジャケット』西田シャトナーさんインタビュー

『ムッシュ・モウソワール』は、脚本・演出家 西田シャトナーが生み出した妄想をテーマにした新しいフェイクコメディシリーズ。“フランスで発祥した歴史ある由緒正しき妄想演劇を日本語の堪能なフランス貴族たちが妄想の限りを尽くして表現する”という設定にて公演を行う、というものだ。

大好評のもと閉幕した第一回来日公演 『ブラック・ベルト』 からはやくも1年、待望の第二回来日公演の上演作品は稀代の妄想演劇作家であるシャトナー伯の渾身の戯曲 『レッド・ジャケット』。
今回出演する来日メンバーは、第一回来日公演から引き続きの出演となる平野伯、宮下伯、オラキオ伯に加え、初来日となる滝川伯、佐藤伯。5人のムッシュたちはどのような妄想演劇 をみせてくれるのだろうか?
編集部は、西田シャトナーさんに第二回公演の渾身の作品について、また、自身の演劇に対する思いを直撃した。

根源的な演劇に挑む、妄想がまず力の源

Q そもそものこの企画の発端は?

西田:根源的な演劇を作りたいと、私とオラキオさんに対し、鈴木プロデューサーが発案したのが発端ですね。演劇というものはそもそも人間の想像力で成り立っている。舞台装置、衣装、小道具、照明、音響、それらをなるべく取り払って“「素舞台」でやれないかと。自分はもともとインディーズ出身だし、そういう芝居を作ってきた作家ですが、なかなかプロデューサー側…つまりビジネス的な判断をする側から、そういう提案がなされることは珍しいのです。

25newsモウソワール

Q 企画そのものが洒落ですね。

西田:観客は、こういう遊びを理解してくださるはずだと思っています。

前回公演は、成長もなく妄想から帰る

Q 1回目の作品の台本を読ませて頂きましたが、激しい妄想力ですね。

西田:前回公演の『ブラック・ベルト』には前身となる『ホントに?』(脚本・西田シャトナー)という作品がありまして、それは女性4人が宝くじが当たったら何しようかっていう妄想話をずっとし続ける芝居なんです。最後はクジも外れるし、妄想以外に何も起こらないんですけど。登場人物たちが人間的成長を遂げる訳でもなく、最後、ただの妄想で終わってしまう物語の中に、光みたいなものを見つけたかった。我々の内部には最初から根源的な可能性があるということを体験したかったのです。

Q 今回の舞台は本当に何もない状態なんですね。

西田:一応、ワインの入った木箱は置いてあるんですけど。芝居が終わったら箱をあけて、その妄想によって熟成したワインを飲むんです。「モウソワールの貴族たちの習慣」なんです。

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今回の『レッド・ジャケット』はたとえ話、これは可能性を話すことです>

Q 今回は『レッド・ジャケット』、例え話がベース?と考えてよろしいでしょうか?

西田:今作は、「例え話」がモチーフになっています。我々は実は、例え話によってお互いを知り、自分を知り、世界の可能性を知るんじゃないかな? というような。そのようなことを考えて作った物語です。

Q 抽象的なことを説明するのに、日常でも例えばっていいますね。新しいラーメンがあったとして、「例えば、サッポロ一番の塩ラーメンみたいな感じなんだけど、ちょっとそれより味が濃いかも」って言ったらなんとなくわかりますよね。

西田:そうですね。何か言いたいことを、実際にそこにないものを使って例え話によって表現するのは、会話の基本のひとつですね。演劇においても、それは根源的な要素だと思います。それがなかったら演劇は成り立たない。認識の泥遊びのようなものです。自分自身、そこは『ムッシュ・モウソワール』のプロデューサーと見解が一致しているところです。少し、パッケージは”お洒落“だったりしますけど、観ればわかります。まず、泥遊びから始まっているお芝居だということが。

25newsモウソワール

大切な遊びをしようと思っています

Q 演劇というものは観客と一緒になって作るものですよね。

西田:はい。

Q 観客がのって、演者ものって、それでひとつの演劇空間を。

西田:原初演劇が好きなんです。演劇を祝祭だとも思ってます。作ることより面白い事、ないですから。何かを存在させる。何かが誕生する時間に立ち会う。それは最大の喜びですね。

Q 最後にお客さんにむけてPR、お決まりですが。

西田:今、稽古場がとても楽しいんですよ。凄い面白いんです。もう、稽古すれば、する程、いろいろ出来てきて、きっと台本がないみたいに見える作品に出来上がりつつあります。しっかり楽しく遊んでいます。大切な遊びをしようと思っています。お客様も是非、この遊びにつきあって頂けたら嬉しいですね。

西田シャトナー(にしだ・しゃとなー)

1965年大阪生まれ。 作家・演出家・折り紙作家。
1990年、神戸大学在学中に結成した劇団「惑星ピスタチオ」で脚本家・演出家として演劇活動を開始。パワーマイム演出・カメラワーク演出など、実験と娯楽を融合した表現が注目を集め、動員2万人に達した後2000年に解散した。
2012年からスタートした舞台『弱虫ペダル』シリーズには脚本・演出として参加。「2.5次元演劇の潮流」の立役者と言われる。俳優としても活動を続けており、一人芝居フェスティバルである「Fight Alone 4th(2014年)」では観客投票にて優勝に選ばれた。折り紙作家としては演劇より長く活動しており、個展も多く開いている。

西田シャトナー

西田シャトナー

西田シャトナー

[公演データ]

ムッシュ・モウソワール第二回来日公演『レッド・ジャケット』
原作:シャトナー研『例えばなし砦』より
脚本/演出:西田シャトナー伯
出演:平野良伯、滝川英治伯、宮下雄也伯、佐藤永典伯、オラキオ伯
2016年5月11日~15日
草月ホール
http://monsieur-mausoir.com/
©ムッシュ・モウソワール第二回日本公演実行委員会

取材・文/高浩美

■過去リリース情報
http://25news.jp/?p=2280
http://25news.jp/?p=2159
http://25news.jp/?p=912

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