ハムレット

ジョン・ケアードは、最近のシェイクスピアの研究に関して言及したが、1601年か1602年にシェイクスピアは紳士の紋章の申請をしたという記録が見つかり、そしてシェイクスピアは役者だと書かれている記録も見つかったと言う。しかもそれは「ハムレット」を執筆していた時期、その頃に父親を亡くしている、とコメント。つまり、ジョン・ケアードによれば「自分の自伝的なものを書いているんじゃないか」という推測。そして、今回のメンバーに関しては「本当に素晴らしい人達です。経験も豊かだし。このメンバーで稽古するのは、とても素晴らしいことです」とコメント。さらに「現実と見えないもの、役と演じられている者の対比、それをやるにあたっては少人数でやろうと決めました。『ハムレット』というのは30人とかそれ以上、正体がわからないような兵士がいっぱいいる、そうすると真実のところが見えてこない、だから今回はほとんどの役者がダブルでいろんな役をやります」と語る。「國村さんには亡霊とクローディアスの両方、兄弟ですからね。でも、これはよくあることなんです」とコメント。さらに「クローディアスは墓掘りの1人として蘇って頂きます。村井さんには劇中劇の王様役もやってもらいます。2人の墓掘りには道化の部分を、やって頂こうかと思います。ボローニアスは、劇中で亡くなるんですが、(墓掘りとして)墓から出てくるんですよね。ローゼンクランツとギルデンスターンは、彼らもまた殺されるんですが、2人のこの役者さんは、イギリスの使節として戻ってきて“ローゼンクランツとギルデンスターンは死にました”と報告に来る。オフィーリアは、オズリック、最後の幕に出てくる……それには深い意味があって、オフィーリアはハムレットに「浅はかだ」と攻められるんですが。それが“ハムレットを困らせてやる”、みたいな感じで死から戻ってくる。ガートルートは劇中劇でちらっと出てきます。で、内野さんもフォーテンブラスとして戻ってきます。ハムレットが死んで、全然知らない人が出てきて「この国を僕が支配〜」とか言って取ってってしまう。「誰、あれ?」っていう(笑)、いつも観客は思う訳ですよね。なんでハムレットが死んだ後に、それを取っていく権利があるのか、意味があるの?っていうような感じで。それは歴史ものに変えたくってなんか付け足したみたいに見える。ハムレットが自分がなるべきだった王として、この劇のテーマ、蘇る死と生の関係というものがクリアーに見えてくるのではないでしょうか。逆なのがホレイショー、根源的なことですが、ハムレットが死んだときにホレイショーも自分自ら、命を絶とうとします。そうするとハムレットが止める、そんなこと、やっちゃいけないと。もしもお前が死んだら誰もこの物語を語り継ぐ人がいない、と言って止める。本当はどんな話のことなの?『リア王』もそうですが、生き残った者たちがいて、その物語が語りついでいく、必ず、そういうキャラクターがいるんです。語り継いで、他の者たちを学ばせる、必ず、生き残る人がいる。それがきっかけで、希望の光になってる。いくらそれが悲劇であろうとも。ホレイショーが生き残る。そうするとホレイショーがシェイクスピアに話を伝えた人だと。そしてシェイクスピアが書き始めたのだ、という風になりますね」と力を込めて語った。
ジョン・ケアードの熱弁の後は音楽・演奏の藤原道山から挨拶。

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