【レポート】ミュージカル『ノートルダムの鐘』華やかに製作発表会、キャスト候補発表!
ミュージカル『ノートルダムの鐘』
華やかに製作発表会、キャスト候補発表!
東京のホテルニューオータニにて華やかにミュージカル『ノートルダムの鐘』の製作発表会が行われた。この日にキャスト候補者が明らかになるとあって早くから大勢の報道陣が詰めかけた。
『ノートルダムの鐘』は、世界的文豪ヴィクトル・ユーゴーの代表作であり、これまで幾度の映画化、舞台化を経ている「Notre-Dame de Paris(ノートルダム・ド・パリ)」に発想を得た作品。楽曲は、1996年製作、アカデミー賞にもノミネートされたディズニー劇場版長編アニメーションに基いた舞台作品で、作曲アラン・メンケン(『アラジン』『美女と野獣』他)と作詞スティーヴン・シュワルツ (『ウィキッド』他)が手掛け、脚本をピーター・パーネル(『On a Clear Day You Can See Forever』他)、演出をスコット・シュワルツ(『Jane Eyre』他)が担当。ディズニー・シアトリカル・プロダクションズ製作、2014年に米国カリフォルニア州サンディエゴのラ・ホイヤ劇場で、 翌15年には同ニュージャージー州ペーパーミル劇場で上演が行われた。そして今年の暮れ、いよいよ日本上陸となる。ディズニーファンはもちろん、ミュージカルファン、アニメファン、待望の作品だ。
まず登壇したのは劇団四季代表の吉田智誉樹の挨拶、2014年に公演を観劇した感想を述べた。「深い人間ドラマがあり、完成度の高い、シアトリカルでシンボリックな演出」に感動したそうである。そして「シリアスで、アニメとはだいぶ違います」と作品を解説した。『ライオンキング』や『リトル・マーメイド』等はファミリー層等幅広い観客層に支持されているが、今回は今迄の作品とは趣きを異にする。人間の運命や相克といったものが全面的に表現されている、非常に深いものになっている。吉田は「大人の観客」と表現したが、陰影のある複雑な内容なだけに、演劇や文学を愛する観客向けということであろう。また今回も翻訳は『アナと雪の女王』の高橋知伽江が担当する。また「観客の想像力を喚起させる、演劇のあるべき方向である」ということだが、かなり骨太な作品であることには違いない。
それから、ディズニー・シアトリカル・プロダクションズ 国際戦略担当ディレクターのフェリペ・ガンバがプレゼンテーションを行った。四季とディズニー・シアトリカル・プロダクションズは、『美女と野獣』以来、21年もの間、パートナーシップを築いてきた。今回のミュージカル『ノートルダムの鐘』は世界的文豪・ビクトル・ユーゴーの代表作、15世紀末のパリが物語の舞台、ノートルダム大聖堂の鐘楼に住む男・カジモトが主人公だ。この作品が発表されたのは1831年のこと、文学界においても絵画の世界においてもロマン主義の時代であった。フェリペ・ガンバはそういった作品の時代背景等について言及してくれた。ビクトル・ユーゴーは、この『ノートルダムの鐘』の後、大作『レ・ミゼラブル』を1862年に発表している。
今回の舞台作品であるが、1996年に発表されたアニメーション映画『ノートルダムの鐘』の完全な舞台化という訳ではない。かといって原作の完全舞台化でもない、ということなのだろう。しいて言えば、”舞台だけの『ノートルダムの鐘』”ということなのかもしれない。
さらに、フェリペ・ガンバはアニメーション作品は原作と比較すると色鮮やかな印象であるが、ユーゴーの世界から決してかけ離れてはいないこと、根底にあるのは”希望”そして”受け入れること”、さらに”外見だけでジャッジしてはいけない”ということ、このスピリッツがディズニーのフィロソフィーとマッチする、と解説してくれた。そして舞台化にあたり、”もとの小説に戻ってみたい”ということで”大人のアプローチ”、こういった話だけでも舞台の期待感は高まる。また、「音楽を大切にした」とコメントしたが、アラン・メンケン&スティーヴン・シュワルツの巨匠コンビの楽曲、ここもファンにとって心待ちなポイントだ。
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