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【レポート】『ホス探へようこそ The First』

横浜O-SITEにて『ホス探へようこそ』が上演中だ。

今年二月に『ホス探へようこそThe Last Valentin』公演から、一部キャストを変更して原作・1巻を基にミュージカルとして書き下ろされた新作。初演が新宿の劇場でどちらかというと“大人な歌舞伎町”な内容だったことに対し、今回は横浜の劇場で、“「ホストクラブ・レディキラー」で成長する小林少年”と原作により近づいた内容になっており、洒脱でアッパーで、時にジャジーにそして囁くようなミュージカルナンバーが彩りを加え、横浜という土地に似合う華やかな舞台となっていた。

原作は別冊花とゆめ(白泉社)にて連載された立野真琴『ホス探へようこそ』(全5巻)。探偵に憧れる小林少年がドアをたたいたのは「明智探偵事務所」。しかし、そこは夜になるとホストクラブ「レディ・キラー」に大変身!客から持ち込まれるいくつもの難題を解いていく……?といった話だ。

小林が事務所に訪れるところから物語が始まる。初演と同じ流れだが、ホストに抵抗を示しつつも「ホストも探偵も人の気持ちに寄り添うもの」と本質を丁寧にみつけていく演技を見せたのは大島崚。やんちゃな小林が垣間見せる思慮深い表情が印象的だった。
派手で目立つため、まるで探偵に向いていない所長の明智を演じるのは五十嵐啓輔。ふんわりとやさしい物腰で、彼が他のホスト達から信頼され、そして「レディ・キラー」の客たちが彼に相談事を持ちかけることが納得できる安心感をしっかりと見せた。竜胆役田中彪は、初演では時雨を演じていたが、今回は小林とのバディ役として舞台に新しい流れをつくった。子供のようにじゃれ合う小林と竜胆の面倒を見るのは、室龍規演じる落ち着いた不知火とすばらしい歌声を聞かせる麻生和平演じる茜、そして独特な雰囲気をみせた北村悠演じる不思議系ホスト・時雨たち。

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客の指輪をめぐる謎、ストーカーの正体。そして、レディ・キラーNo.1の座をかけて競う小林と竜胆の前に現れたのは、小林が最初に謎を解いた華子だった。彼女が二人に出した謎。原作を読んだファンは結末まで知っているが、小林と竜胆が信頼しあい強くなっていくバディ感に心をくすぐられる。
タイトルの「ザ・ファースト」通り、ここから「明智探偵事務所兼ホストクラブ・レディキラー」が始まると強く感じた舞台だった。
テーマソング「レディキラーへようこそ」が表情を変えて繰り返し使われる。ミュージカルでは常套とはいえ、耳慣れた曲のリフレインは心地よく、劇場を出た後も自然に口ずさむほど。ミディアムテンポの「真夜中のミューズたち」は、ホスト達の語りかけるような歌声に客席はうっとりと聞き惚れていた。〆は恒例のパラパラでステージ客席が同じ振りで踊り、興奮の中、幕が下りる。
今回の脚本と演出は『星の王子様』や『モモ』など正統派ミュージカルを手がける劇団MMCの天野まりが手掛けているが、原作未読でも充分に理解できる無理のない話運び、衣装やシーンの入れ代わりが多い内容ながら、セット中央のストリングカーテンに映像を投射してテンポよく次のシーンへつなぐ演出は、飽きることなく最後まで一気に見せてくれた。

年内に続編も示唆されている「ホス探シリーズ」。お洒落な横浜でホスト×舞台という夢の世界を是非体験してみてはいかが?

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