SOLO Performance ENGEKI「僕とメリーヴェルの 7322 個の愛」

【オフィシャルレポート】SOLO Performance ENGEKI「僕とメリーヴェルの 7322 個の愛」開幕!

2021 年 10 月 6 日(水)東京・CBGK シブゲキ!!にて、SOLO Performance ENGEKI「僕とメリーヴェルの 7322 個の愛」が開幕しました。

今作は、演劇を“ひとり芝居”という形で、新たなエンターテインメントとしてみなさまにお届けするべく、キャスト・スタッフを最少人数にて上演する“SOLO Performance ENGEKI”の第二弾公演となります。第二弾となる今作は俳優・生駒里奈、松田凌による一人芝居。奇しくもともに 2012 年デビューし、今年 2021 年にデビュー10 年目となった二人による一人芝居企画。男性版・女性版、同じであって同じでない、それぞれが異なる脚本の作品を上演する。

脚本はTVドラマ、アニメ、さまざまな作品で活躍する吉田恵里香。演出は、生駒・松田、両名の初主演舞台の演出をした毛利亘宏(少年社中)。また、作品の上演形態を変え、“SOLO Performance READING“と題した “朗読劇”を 10 月 9 日(土)20 時、10 日(日)20 時、12 日(火)19 時、16 日(土)20時開演の 4 公演、オンラインライブ配信でおおくりします。出演するのは、“佐藤日向”、“洲崎綾”、“飯田里穂”、“間島淳司”の四人の声優。同じ世界観、同じ作品でも、全く違う楽しみ方で新たなエンターテインメントをお届けします。

SOLO Performance ENGEKI「僕とメリーヴェルの 7322 個の愛」本稿では、ゲネプロの写真・リポートと、生駒里奈、松田凌、演出を務める毛利亘宏のコメントをお届けします。

ゲネプロレポート

ステージ中央には白く光る八百屋舞台。上下左右は枠が組まれて四角く区切られており、閉鎖空間であることが伺える。
その真ん中に、ぽつりと存在していたソラ(生駒里奈/松田凌)が静かに目覚める。電子音で奏でられる『ラプソディ・イン・ブルー』に合わせてつけられた振付、宇宙服をイメージさせる衣裳に近未来感が漂う。事実、本作は宇宙船の内部で繰り広げられる SF 作品だ。

宇宙船の中で目覚めたソラは、家族と乗っていた大型宇宙船が事故に遭い、自分が緊急避難用の小型宇宙船で漂流していることをアシスト AI・メリーヴェルから告げられる。
突然の出来事と記憶障害によって戸惑い、嘆き、喚き立てるソラに向かい、メリーヴェルは鎮静剤を投与して“健康で文化的な最低限度の遭難生活”と“全身全霊の愛情を注ぎ続ける”ことを約束。その日から始まった 10 歳のソラと AI・メリーヴェルの不思議な共同生活を追っていく。

季節や時間経過を感じられない宇宙船の中で、メリーヴェルは規則正しいスケジュールを取り入れ、ソラに教育を施す。運動や勉強、食事といった日々の描写はユーモラスでアグレッシブ。不満をこぼしながらも従うソラの様子が微笑ましい。AI との噛み合わない会話などは現代でも「あるある」のやり取りで、親近感を感じさせる。
ソラは、ある時、メリーヴェルの制御を無視してコントロール室へ向かう。そこで衝撃の事実が判明し、ソラはメリーヴェルの教育の意味を知る……。
人物を演じ分けるのではなく、「ひとりきり」というシチュエーションで魅せていく“ひとり芝居”。ソラという人物のリアクションや表情を見逃さずに追うことが出来るため、いつの間にか観ているこちらもメリーヴェルと同様、ソラの成長を見守っている心地に。それは同時に、ソラの変化をきめ細やかに表現する役者の演技をあますところ無く堪能できるということでもある。

SOLO Performance ENGEKI「僕とメリーヴェルの 7322 個の愛」生駒里奈のソラは無垢。不安げに膝を抱える姿やメリーヴェルに反発する口調に少女のリアルさが感じられる。キレのある動きで魅了するダンスパートはもちろん、ふて腐れるシーンの可愛げがない様子もまた可愛らしく、生駒にしか演じられないソラが息づいていた。

SOLO Performance ENGEKI「僕とメリーヴェルの 7322 個の愛」松田凌のソラは繊細。感情の揺れ動きが奥深く、ソラが経験することの一つひとつが彼の人生に確かな形で刻まれていく様が伝わってきた。コメディタッチな場面での遊び心とシリアスな展開のメリハリが心地良く、終わりが惜しくなるような芝居だ。

それぞれ「ひとり」でありながら、物足りなさを全く感じさせない充実した舞台。AI・メリーヴェルの音声は生駒、松田それぞれが自身の回で務めており、ソラとメリーヴェルの会話は「ひとり芝居」である。
歳月の流れと共にソラがメリーヴェルに抱く感情も少しずつ変化していく。ソラとメリーヴェルを通じて、 “愛”が持つ様々な面をあらためて受け取れる物語だ。

開幕コメント

SOLO Performance ENGEKI「僕とメリーヴェルの 7322 個の愛」【出演:生駒里奈】
ソラ役の生駒里奈です。今回は私と松田凌くん、それぞれのひとり芝居ですので 6 日は私が初日を迎えます。最近、作品やテレビに出させていただく時もあまり緊張せずに楽しく挑めていたのですが、昨日の場当たりからめちゃくちゃ緊張して……「ああ、ひとりでやるってこんなに大変なんだな」とあらためて実感しています。
取材の時に『見どころ』を聞かれた時は必ず他の演者さんのことを答えていたので、ひとり芝居である今作の見どころについては「自分のことになるとこんなに難しいんだ!」と悩みました(笑)。吉田さんの脚本には“包み込む”という言葉がちりばめられていまして、色々な場面でその言葉がすごく印象的です。私が今この言葉と出会ったのは“包み込む”ということを私自身がしていかなければいけないからだろうし、世の中を優しさや感動のプラスな面で包み込んであげないと進んでいかない部分もあるのではないか……と稽古をしていく中で感じました。今作をご覧いただく方には、そういった言葉の力や温かさを見ていただきたいなと思います。私個人に関しては初めてのひとり芝居ということで、今まで見たことのなかったような表情などが出てくると思います。見たことのない生駒里奈を見ていただければと思っています。
デビュー10 周年を迎えて、10 年続けてこれたことがすごいなと感じています(笑)。乃木坂46として突っ走り、卒業して、「これからの人生、何をしよう」となった時に毛利さんと出会い、演劇って素晴らしいということに気づかせていただいて、今この場に立っています。私はすごく奇跡に恵まれたのだと思っています。他人だった人たちと他人ではなくなり、強い絆で結ばれることができた10年間でした。すごく良かったな、この世界に来て良かったなと思います。
このご時世の中でこのような機会をいただき、初日を無事に迎えられたということですごく楽しみですし、自分が俳優としてやっていくのだという意思表示になればいいなと思っております。

SOLO Performance ENGEKI「僕とメリーヴェルの 7322 個の愛」【出演:松田凌】
ソラを演じます松田凌です。僕は 7 日に初日を迎えますが、演出の毛利亘宏さんと脚本の吉田恵里香さんが作り上げる世界を、松田凌と生駒里奈がそれぞれひとりで舞台に立って表現していくという、これ以上にない機会をいただいたと思っております。
ひとりで舞台に立つのはとても稀なこと。自分もこれまでに少なからず経験を積ませていただき、舞台に立つという心得はしっかりと積み重ねていたつもりだったのですが、やはりひとり芝居には今まで経験したことのない重圧と責任を感じました。それぞれが体ひとつ、心ひとつで作品を届けていこうとする“役者の力”が見どころになるのではないかなと思います。作品としてはポップさもあり、柔らかい印象のひとり芝居になっているのではないかと思っています。言葉にしてしまうと陳腐になりますが「勇気」や「元気」、そういったものがちりばめられていますので、その想いを皆さんにお届けできればと思いますし、自分としてもひとつジャンプできる作品にしたいです。
デビュー10 周年を迎えて初のひとり芝居、正直に申しますと実力不足なんじゃないかなと思う節はあります。でもデビューした頃の自分には「10 年後、素敵な縁の巡り合わせでひとり芝居をやっているよ。
今までお世話になってきた毛利さんの演出と吉田さんの脚本で、対の主演には生駒里奈さんだよ」と伝えてあげたいですね。どんな方もそうだと思いますが、楽しいこともあればしんどいこともあり、思うことはたくさんあった 10 年でした。それでもやってきて間違い無かったんだなと思います。10 周年を迎えた今、達成感がものすごくあるのですが、そうは思いたくないという気持ちも芽生えていて。もっと忙しくなりたい、もっと板の上に立ってカメラの前に立っていたい……10 年前より何十倍も欲深くなっています(笑)。それぐらいお芝居に没頭したい人生なんだなとあらためて思います。この 10 年間、本当に皆様のおかげでやってくることができて、この作品で一番挑戦したい壁に出会えました。ご覧いただいた方に「実力不足ではない」と思っていただけるように千穐楽を迎えたいと思います。
緊張もありますが、このご時世の中で初日を迎えることができるという幸せを噛み締めて、ご来場くださるお客様にひとつでも何か光を持って帰っていただける作品にしたいと思っています。気合は十二分です!よろしくお願いします。

SOLO Performance ENGEKI「僕とメリーヴェルの 7322 個の愛」【演出:毛利亘宏(少年社中)】
生駒里奈と松田凌のふたりが、芸能デビュー10 周年を迎えた年に初めてひとり芝居に挑む。その作品の演出をやらせていただき非常に光栄です。ふたりの舞台人としてのスタートに立ち会っている人間としては「ここまで来たのか!」とその成長に驚き、日々を噛み締めながら稽古しておりました。デビュー当時は今では想像出来ないくらい、技術とかではなく全力の体当たりでぶつかってくるようなおふたりでした(笑)。それから年月が経ち、たくさんの技を身に着けて今作に向き合っている姿が嬉しかったですし、当時のふたりにはできなかっただろうと思います。感慨深さと同時に、この 10 年の間に血の滲むような努力とたくさんの良い出会いがあったのだろうなとしみじみ感じていました。おふたりの 10 年間に感謝ですし、大切なものに立ち会えて僕は幸福です。力を付けたふたりの頼もしい姿を皆さんにご覧いただきたいと心から思っております。
私としては久々に演出のみをやらせていただいています。脚本の吉田恵里香さんとは話し合いながらストーリー作りにも参加していたのですが、やはり自分とは違う感性があり、愛の捉え方が真逆だったりもしましたね。吉田さんの書いた本に挑むことが演出をする上で楽しかったです。そしてふたりの役者の力を借りて世界観ができ上がっていますので、生駒里奈さんと松田凌さんのアプローチの違いも楽しみにしていただければと思っています。

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